20TBのサーバーが容量キツくなってきたので移行する
目的
自宅で運用しているサーバーのストレージが容量不足になってきたので、ついでにOSの更新と省電力化を行う
いろいろ考えてたら、ほぼ1から組むくらいの規模になった
主な用途
- ファイルサーバ
- 動画ストリーミングサーバ
- ボイスチャットサーバ
- 出先からの作業用クライアント
細かな目的
- OS更新(サポート終了が近くなってきたのでwindows server 2012 → 2016)
- 無線LAN対応(できればLANケーブル無くしたい)
- 省電力化(24時間稼働なので電気代抑えたい)
- 省スペース化(ベッド下運用を止めたい)
- OSディスク高速化(SATA SSD → NVMe SSD)
- HDD増量(20TB→30TB)
サーバー構成
従来構成
【CPU】Xeon E5-1620 v3 (3.5GHz/TDP140W)
【CPUクーラー】 APSALUS4-120(水冷)
【マザボ】X99M Extreme4
【メモリ】DDR4 16GB(Registered)
【SSD】CSSD-S6T256NHG6Q
【HDD】5TB(WD Red) × 4
【電源】KRPW-TI600W/94+ LE
【ケース】SST-GD08B
【OS】Windows Server 2012 R2
新構成
【CPU】Core i3 9300T (3.2GHz/TDP35W)
【CPUクーラー】 IS-40X(空冷)
【マザボ】Z390M-ITX/ac
【メモリ】DDR4 16GB(Unbuffered)
【SSD】SSDPEKKW512G8XT
【HDD】6TB × 5
【電源】SF450 Platinum CP-9020181-JP
【ケース】SST-DS380B
【OS】Windows Server 2016 Essentials
構成検討時に考えたこと
- CPUは同等程度の性能を維持しつつ低消費電力のCore i3 9300Tを選択
- クーラーは水冷に抵抗感は無いけど、なんとなく今回は安全のため空冷に変更
- マザボはCNVI(無線強化)とUSB-Cが使いたかったのでZ39のチップセットで探した
ミドルクラスでSATAが6ポートあったのでZ390M-ITX/acに決定 - メモリは同じDDR4なので使い回したかったけど
新マザボがregisteredメモリに対応してなかったのでしゃーなし買った - SSD(NVMe)はサーバー利用なのでピークスピードよりも安定重視でIntel製を選択
- HDDは前回WD Redを4本積んでたけどコスパ悪いので今回はコンシューマ向けを買った
- ケースは省スペース化を絶対にしたかったのでitxで探した
HDDが8本積めてフロントからスワップできるのがこれしかなかったので実質一択 - OSはWindows Server 2019も考えたがanywhere accessが廃止されているので2016を選択
ケースのサイズ比較
- 従来ケース(Extended ATX)
-
新ケース(Mini-ITX)
タワー型に変更し、フットプリントはかなり小さくなった
組む
並べて写真撮るの好き()
NVMeのヒートシンクは別PCでも使用している長尾製作所のSS-M2S-HS02を買った
完成
薄型CPUクーラーを採用したおかげでスッキリ収まった
ちなみにHDDのメーカーや型番は可能な限りずらした(昔に同ロットでRAIDが崩壊しかけたので)
OSインストール・システム構築
ちょっと詰まったところと解決方法
- マザーボード付属のNICドライバがwindows server 2016 に対応してなかったのでいじった
- 大体はこのページを参考にさせてもらった
- おおまかな流れとしては↓
- ドライバの構成ファイル(infファイル)をテキストエディタで書き換え
- Windowsをテストモードにする(要再起動)
- 修正したドライバをインストール(下記の警告が出るが続行)
- テストモードを無効に戻す
- 無線LANは機能追加しないと有効にならない
ドライバをインストールした上で、
サーバーマネジャー > 役割と機能の追加 > 機能 > ワイヤレスLANサービス > インストール で使える -
データをバックアップから戻すときHDDが死んだ
ちょうど運悪く不良セクタが発生
有償の復元ソフト使ったり物理的に冷却してみたりしたけど結局不良セクタ部分だけ読めなかったので諦め
ちょっと悲しい
(冗長構成にしておきたかったけど十数TBの移行なのでさすがに厳しかった)
工夫点?
-
外からの接続はanywhere access(rdp over https)を使用
anywhere accessはWindows Server Essentials標準の機能で、
「RDP over https」や「WEBを介した共有フォルダーへアクセス」を簡単にセットアップできる機能 -
RDP over httpsを使うメリット
- 開けるポートは443のみでOK
- 暗号化されててかつ 秘密鍵+パスワードで認証
- オフィスはホテルなどクライアントのアウトバウンドがが厳しい場合でも接続可能
- VPNと違ってクライアント側にめんどくさい事前設定が不要
- デメリット
- SSL証明書が必要
- windows server 2019からこの機能は削除されているので将来的には別の方法を考える
- SSL証明書は自動更新
これまでは安いSSL証明書を買って更新してたけどアホらしくなったのでlet’s encryptの証明書を自動更新するようにした
自動更新用のソフトはCertify the Webを使用
anywhere accessで使用するリモートデスクトップゲートウェイの証明書にも対応しているのが良い
マニュアルはこれを使った(英語だけどめちゃ分かりやすかった)
目的達成できた?
-
OS更新(windows server 2012 → 2016)
→ドライバ関連が手間取ったのとデータ移行が大変だったけど完了 -
無線LAN対応(できればLANケーブル無くしたい)
→ドライバ入れてwindowsの機能追加したら使えた -
省電力化(24時間稼働なので電気代抑えたい)
新旧で消費電力を計測アイドル時 起動時(ピーク) CPUベンチマーク時(super π) 旧サーバー 64w 95w 71w 新サーバー 47w 81w 52w
24時間のほとんどはアイドル状態なので単純計算で1kWh単価を27円とすると
1ヶ月あたり1244円から913円くらいになる
年間だと4000円くらいの削減
- 省スペース化(ベッド下運用を止めたい)
→専有面積は 1870cm^2 → 759cm^2 なので半分以下になった
これでサーバーをベッドの下じゃなくて棚やラックに置けそう -
OSディスク高速化(SATA SSD → NVMe SSD)
ベンチマーク通り快適 ソフトウェアの起動も体感的にかなり早くなった
-
HDD増量(20TB→30TB)
RAID5の同期に1週間かかったものの完了
HDD 6TB×5本は容量デカすぎるよね
気づき・今後のこと
- 安定稼働していて今のところ概ね問題なし
……あれ…… seagateのHDD温度高くね…?
→経過観察して故障早いようならseagateは避けるかも - RAID5なので本当に重要なデータは暗号化してクラウドにもバックアップしよ
→ onedriveのvault使いたかったのでoffice365(12,744円/年)始めたった 😀 - 容量バラバラのHDDが余ってるので外付けバックアップ用にJBOD対応のHDDケースを購入予定
→ こんなの https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07NY8FQ3D (まーた散財か)
そんなかんじ。
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